こんにちは!シャム猫です!
今回は私が取得している資格の一つ、介護福祉士についてお話します。
私はかれこれ25年ほど前に、介護福祉士の専門学校に通い資格を取得しました。
昔は専門学校で2年間学び、卒業と同時に試験を受けずに資格が得られました。
今回は資格取得で得られるメリットとともに、最新の資格取得方法や将来性についてお話したいと思います。
①介護福祉士とは
介護福祉士とは、高齢者や障害者など、日常生活でサポートが必要な方に対して介護サービスを提供する専門職です。
介護職の中で唯一の「国家資格」であり、資格を取得することで、より専門的な知識とスキルを活かした介護ができるようになります。
介護福祉士の役割として、次のようなものがあります。
日常生活の介助
食事、入浴、排泄、着替えなどの日常的な生活動作の介助を行い、利用者ができるだけ自立した生活を送れるようサポートします。
メンタルケアやコミュニケーション
利用者の不安や悩みに寄り添い、精神的なサポートを行います。信頼関係を築くことで、利用者が安心して介護サービスを受けられるようにします。
家族支援と相談対応
家族へのアドバイスや支援も介護福祉士の重要な役割です。介護の進め方や介護に関する悩みの相談に応じ、家族が安心して介護を進められるようにします。
ケアプランの作成支援
ケアマネジャーと協力して、利用者一人ひとりの状況に合ったケアプラン(介護計画)を立案・実施します。
②介護福祉士の資格取得で得られるメリットとは
介護の専門性とスキルの証明
介護福祉士は介護職で唯一の国家資格であり、専門的な知識と技術が国から認められていることを証明します。このため、日常的な介護スキルに加え、認知症ケア、コミュニケーション技術、リスク管理などの知識も身につけられるため、利用者に対してより質の高い介護サービスが提供できます。
キャリアアップの可能性
資格を取得することで、介護リーダーや管理職、または施設全体をまとめる役職など、キャリアアップのチャンスが広がります。さらに、介護福祉士の資格はケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験資格にもなり、介護現場でのスキルアップに繋がります。
給与や待遇の向上
資格手当が支給される場合が多く、無資格や未経験の職員に比べて給与面での待遇が改善されることが一般的です。また、介護福祉士資格があると職場での評価も高まりやすく、より安定した雇用や待遇向上に繋がります。
信頼性の向上
国家資格を持っていることで、利用者やその家族、同僚からの信頼が高まります。信頼があることで利用者の要望にも応えやすくなり、仕事のしやすさやコミュニケーションの円滑さに繋がります。
転職や就職での優位性
介護福祉士資格は介護業界における重要なスキル証明の一つであり、転職や就職の際に有利です。介護職の需要が高まっている現在、資格を持っていることで採用されやすく、希望する職場を選びやすくなります。
業務の幅が広がる
介護福祉士としての知識や技術を活かし、通常の介護業務だけでなく、個別のケアプランの立案や、他職種との連携なども担当することが可能になります。業務の幅が広がることで、職場での役割や責任も増え、やりがいが感じられやすくなります。
自己成長とやりがいの向上
専門的な知識を身につけ、利用者の生活をより良くサポートできることは自己成長に繋がります。利用者や家族から感謝される場面も増え、直接的な「ありがとう」を感じることができるため、やりがいや達成感が得られやすいです。
③介護福祉士資格取得で得られる将来性とは
介護業界での安定したニーズ
日本では高齢化が急速に進んでおり、介護福祉士を含む介護職の需要が増加しています。今後も需要が安定して見込まれるため、介護福祉士は長期的な雇用の安定が期待できます。また、介護福祉士の資格は実務経験を積むことでスキルの証明となり、さらに評価が高まるため、安定した収入と仕事を確保しやすくなります。
キャリアパスの多様化
介護福祉士は、資格を活かして多様なキャリアパスが描けます。介護リーダーやフロア責任者、管理者などの役職に就き、施設内でリーダーシップを発揮することが可能です。また、介護支援専門員(ケアマネジャー)へのキャリアチェンジも視野に入れられるため、介護福祉士として経験を積んだ後も、さまざまなポジションで活躍することができます。
専門知識を活かした地域貢献の機会
地域包括ケアシステムの整備が進んでいるため、介護福祉士は施設介護に限らず、在宅や地域での介護サポートに携わる機会も増えています。地域で生活する高齢者への訪問介護や地域包括支援センターでの支援など、地域に密着したケアを提供することで、地域の人々と関わりながら働くことができるため、地域貢献が可能です。
給与面や待遇の向上
政府の介護職員処遇改善策により、介護職の待遇向上が進んでいます。資格保有者には手当が支給される職場も多く、介護福祉士の資格を持つことで、他の介護職に比べて収入や待遇が向上しやすいです。将来的にも、経験や知識が評価されて給与が上がりやすい傾向があります。
介護のスペシャリストとしての信頼性
国家資格である介護福祉士を取得することで、介護のスペシャリストとしての信頼性が向上します。特に認知症ケアや医療ケアといった専門分野でのスキルが評価され、医療スタッフや他職種との連携の中でも責任ある役割を担うことが期待されます。これにより、施設内外での評価が高まり、キャリアの可能性が広がります。
ICT活用やAIとの連携が進む将来の介護現場での活躍
介護業界ではICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の導入が進んでおり、今後さらにテクノロジーと連携した介護が増えていく見通しです。介護福祉士資格を持ち、現場で経験を積んでいることで、テクノロジーを活用した新しい介護方法の導入に対応しやすく、スキルの幅を広げていくことができます。こうした技術を活用することで、利用者にとってより快適で質の高いケアを提供できるため、専門職としての価値がさらに高まります。
国際的な需要の可能性
日本の介護スキルは質が高く、アジアをはじめとする他国でも注目されています。介護福祉士の資格は、今後、外国人介護職員の教育や指導にも役立つため、国際的なキャリアパスも視野に入れられます。また、国内でも外国人介護職の受け入れが進む中、外国人スタッフの指導役として活躍できる場が広がっています。
④介護福祉士資格取得方法
介護福祉士になるには、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。介護福祉士国家試験を受験するためには「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」のいずれかにより、定められている資格要件を満たして、受験資格を取得する必要があります。
介護業務に就いたことのない人が、介護福祉士を目指すのであれば、上記4つのルートのうち、「実務経験ルート」で受験資格を得るのが一般的です。介護事業所に勤務して、介護サービスの実務を3年以上経験し、かつ、別途定められている研修を受講し修了することで、受験資格を得る方法です。なお、2023年度(第36回)介護福祉士国家試験受験者数約7.5万人のうち、約9割の人が実務経験ルートで受験しています。
実務経験ルート
介護等の実務経験と「介護福祉士実務者研修」の修了によって、介護福祉士国家試験の受験資格を得るルートです。介護事業所で3年(1,095日)以上、かつ、従事日数540日以上の介護等の実務経験があり、加えて「介護福祉士実務者研修」を修了するか、「介護職員基礎研修」(2012年度に廃止)と「喀痰吸引等研修」の2つを修了することで、受験資格が得られます。また、対象となる職種での雇用なら雇用形態は問われないため、パートや嘱託でも条件を満たしていれば受験が可能です。
「介護福祉士実務者研修」とは、コミュニケーション技術から医療的ケアまで、介護に関する専門的・実務的な知識と技術を習得する研修です。介護職としての実務経験や資格を持っていない方でも受講することが可能ですが、すでに介護の資格を持っている方であれば、保有する資格によって科目が免除され、受講時間や受講期間が短くなります。
養成施設ルート
文部科学大臣および厚生労働大臣が指定する介護福祉士養成施設(大学、短期大学、専門学校など)において、所定の課程を修了することで、介護福祉士国家試験の受験資格を得るルートです。養成施設に通う期間は、普通科高校を卒業している人は2年以上、福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設のいずれかを卒業している人は1年以上とされています。
2016年度までの卒業生は、試験を受けなくても、卒業と同時に介護福祉士の資格を取得できました。2017年度~2021年度の卒業生は、卒業後5年間の期限付きで介護福祉士の資格を取得できます。また、この5年の間に試験に合格または卒業後5年間続けて介護などの業務に従事すれば、5年経過後も介護福祉士の登録を継続できます。
福祉系高校ルート
福祉系高校の課程を修了することで、介護福祉士国家試験の受験資格を得るルートです。このルートには、①2008年度以前に福祉系高校に入学し、旧カリキュラムを学んだ方、②2009年度以降に福祉系高校に入学し、新カリキュラムを学んだ方、③福祉系特例高校を卒業し、かつ従業期間9ヵ月(273日)以上かつ、従事日数135日以上の介護の実務経験がある方と受験資格を得るために3つのパターンがあります。
経済連携協定(EPA)ルート
EPA(Economic Partnership Agreement)とは、貿易の自由化に加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作り、様々な分野での協力の要素などを含む、幅広い経済関係の強化を目的とする協定のことです。
2019年時点でEPA対象国は、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3ヵ国です。
日本政府が他国と結んでいる経済連携協定(EPA)に基づいて日本で働いている、インドネシア・フィリピン・ベトナムいずれかの国籍を持つ人が、日本の介護福祉士国家試験の受験資格を得るためのルートです。日本の介護事業所で3年(1,095日)以上、かつ、従事日数540日以上の介護等の実務経験があり、加えて「介護福祉士実務者研修」を修了することで、受験資格が得られます。
⑤介護福祉士国家試験の概要
試験は年に一度、例年1月下旬に実施されています。2024年度(第37回)介護福祉士国家試験の概要は、次のとおりです。
試験日
2025年1月26日(日)
試験の内容
次の11科目群から出題されます。
1 人間の尊厳と自立、介護の基本
2 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
3 社会の理解
4 生活支援技術
5 介護過程
6 こころとからだのしくみ
7 発達と老化の理解
8 認知症の理解
9 障害の理解
10 医療的ケア
11 総合問題
設問は、五者択一のマークシート方式です。合格基準は、受験年度によって上下の変動はありますが、全体の約60%程度で得点し、かつ11科目群すべてで得点していることとなっています。
受験手数料
18,380円
受験申し込みの手続き
例年6月下旬に、介護福祉士国家試験を実施する(公財)社会福祉振興・試験センターより、その年度(年が明けた翌年に実施される試験)の介護福祉士国家試験の概要が発表され、「受験の手引」の配布が始まります。この「受験の手引」には、受験申し込みに必要な書類などが同封されていますので、まずは「受験の手引」をインターネットか郵便ハガキで請求して取り寄せます。「受験の手引」が手元に届いたら、必要事項を記入し、提出が必要な書類などをそろえて、受付期間内に出願します。
2024年度(第37回)試験の受講申し込み受付期間は、8月7日(水)~9月6日(金)です。
第38回(令和7年度)介護福祉士国家試験の受験申し込み手続きの詳細は、令和7年7月上旬頃に発表される予定です。
受験会場
試験は、全国35試験地で実施されます。詳しくは、(公財)社会福祉振興・試験センターのホームページでご確認ください。
⑥まとめ
介護福祉士資格は、介護業界でのキャリア形成において強みとなり、将来にわたって大きな将来性が期待される資格です。社会的な需要、キャリアの多様性、待遇の改善が期待できるだけでなく、今後も変化する介護の現場に対応しながら成長し続けられる資格であると言えます。介護福祉士としての責任は増えますが、より多くの人に安心と笑顔を届けられる、社会にとっても重要な資格です。
資格取得までには勉強や実務経験が必要です。しかし、取得後には利用者や家族からの「ありがとう」という言葉に直接触れ、充実したやりがいを感じることができます。
私も多くの方々と出会い、嬉しい事・悔しい事、時には悲しい別れなどを経験しましたが、それは全て私にとってかけがえのない経験であり財産でもあります。
介護をさせて頂くという事は身体的にも精神的にも楽な事ではありません。ですが、その中にやりがいを見つける事ができ、様々な達成感を得る事もできました。
介護福祉士としての道を歩むことを検討している方が、今回の記事を参考にして一歩を踏み出し、介護業界で多くの人に笑顔と安心を届けられることを願っています。
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